精度について
製品として、カタログなどに示されている精度と、実際に1日腕に装着した後の精度とは違う場合が多いです。
特に高額な商品に多いと思います。
静的精度
カタログに書かれてあるのは静的精度というもので、これはある一定方向に置いて、動かさない状態での1日の精度のことを言います。
製品案内で書いてある内容は、
例えば、『日差+5秒~―3秒以内』と書かれていますが、書かれてある内容には『静的精度』と書かれていることが多いです。
携帯精度
携帯精度とは、1日腕に装着して、生活した後の精度になります。
例えば、『+10秒以内』と書かれていたりします。
なぜ違うか
この精度の違いは、車のカタログに載っている燃費と実際の燃費の違いに似ています。
カタログ燃費と実走行燃費に差がありますよね。
内部のテンプに装着されているひげゼンマイが往復運動をしてタイミングを取っていますが、常に地球の重力がかかっているので、ずっと同じ方向で往復運動をすれば往復運動する速さは変わらないのですけれども腕に着けた状態で歩いたり、手をあげたり、走ったりと1日腕を動かすわけなので、同じタイミングでの往復運動ではなくなります。

ごくわずかな往復回転の違いですけれども、1日に直すと数秒の差が出たりします。
それで装着した場合と静止した状態とでは精度が違ってくるという事ですね。
6姿勢
さらに精度を分析するために、6姿勢というものが考えられています。
6姿勢を計測

- 文字板上(ガラス面上)方向
- 文字板下(時計裏向け)方向
- 12時側上(文字板12時が上)方向
- 3時側上(文字板3時側が上)方向
- 6時側上(文字板6時側が上)方向
- 9時側上(文字板9時側が上)方向
それぞれ、1日づつ、同じ時間にフル巻き上げにして時間をピッタリ合わせ、それぞれの向きを上にして、そのまま放置します。
翌日同じ時間に何秒進んだのか、遅れたのかを記録します。
- +5秒進んでいた
- +2秒進んでいた
- ―3秒遅れていた
- ―2秒遅れていた
- +2秒進んでいた
- 0秒ちょうどだった
になったとしましょう。
これは、それぞれ地球の重力のせいで、テンプの往復運動のスピードが違うのです。
腕に装着した時計の1日の状態
- 腕から外した状態では、ガラス面が上の①でしょうから、その際には進み気味になります。
- 電車のつり革を持っている間は3時側が上の④でしょうから、少し遅れ気味になります。
- またスマホを左手に持って見られている際には、時計裏向けが上の②の状態になりますので進み気味になります。
- 歩いている時には、腕を垂らすわけですので、9時側が上の⑥となりますのでこれは進み遅れ無しというような流れになります。
1日の生活状況ではいろんな向きを向いているわけで、その間わずかな遅れ進みが出てくるわけです。
これで静的精度と携帯精度は違うということがお分かりいただけたかと思います。
寝る前に向きを変える
針合わせで時間を合わせるのではなく、1日のちょっとした進み・遅れを是正するのは、自分の腕時計の6姿勢の精度を把握していれば、簡単に修正できるようになります。
これからは、毎日寝る前に進み遅れを見て、
- 進んでいれば、6姿勢精度で遅れる側を上
- 遅れていれば、6姿勢精度で進んでいる側を上
このまま就寝すれば、朝までに修正されているということになります。
面白いですね。

