クオーツ時計の磁気帯び
クオーツモデルは、水晶振動子からの信号を利用して、ロータ(秒針直結)を回転させておりますが、外部から磁気を受けることによって、このロータが磁気を受けている時間の間だけ、回転が止まってしまいます。
(ロータの回転が止まると秒針は止まってしまいます)
直流磁気(磁石、スマホなど)に接触した時
着磁(磁気帯び)は、外部からの磁気接触で起こり、原因としては、携帯電話のスピーカー部分との接触やバッグ開封口の磁石部分、パソコンのスピーカー、磁気治療器(安眠枕やピップエレキバンなど)の接触などがあげられますが、このようなものとの接触で一時的に針が止まってしまいます。

秒針を動かしているのが、ロータと言って、小さな磁石なのです。
ここに磁力線、いわゆる磁石の力を流して、小さな磁石を回して秒針を動かしています。
そこに横から大きな磁石の力がやってきたら、そちらに吸い寄せられて、ロータの動きが止まってしまいますから、秒針は止まってしまうということになります。

磁気の接触から解放された途端に針は動きだしますので接触している時間分だけ遅れます。
例えば、15分間、スマホと接触して秒針が止まった状態から、離れた瞬間に動き出すので、15分遅れるということになります。
「なぜか、30分時計が遅れている…」というのはこの現象だと思います。
たいていは、運針に問題はありませんので、りゅうずで元の時間に合せてください。
しかし、大きな磁気に長時間遭遇いたしますと機械が磁気化してしまい、元に戻しても徐々に遅れたりすることになりますので、その際には修理店、あるいはメーカーで脱磁処理をお勧めします。
例えば、磁石とクギを何時間か一緒にしておけば、クギが磁石みたいになってしまう現象です。
時計内部の部品が磁石化してしまうと中のロータに影響が出てしまいます。
磁気に遭遇される背景には、ハンドバッグの磁石部分や携帯電話等、磁気を発するものが身の回りに多いことがあげられます。
しかし、磁気を発するものと10cmも離れていれば影響は受けません。
磁気を発するものにはご注意を促してください。
また、ステンレス自体は着磁しにくいのですが、ニッケルや炭素など他物質が多くなると磁気帯びするようになります。
特に磁気帯びしやすい箇所としては、バネ棒、巻き真、裏ぶた、バンド(特にエキスパンションにはバネ入り)、中留(バネ入り)があげられます。
交流磁気(電化製品など)に接触
生活家電などは、交流磁気になります。
この磁気は抜けてしまいますので、残留磁気が残ることはありませんが、接触中はロータが勢いよくグルグルと回ってしまうため、それに伴って秒針もグルグル回りだし、全く違う時間になってしまいます。遭遇した時は、時間合わせや日付合わせが必要で、ソーラー電波やソーラーGPS時計の場合、システムリセットが必要になります。
メカニカル時計の磁気帯び
秒針が1秒の速さで動くようにするため、”テンプ” が往復運動で速さの調整をしています。
(テンプ内に設置された “ひげぜんまい” が伸び縮みすることで円盤のような ”テンプ” がずっと回転するのではなく、往復運動することになります。)
ひげゼンマイに影響
精度を司るのは、”ひげぜんまい” です。規則正しく伸び縮みすることで、テンプの往復運動(通常280度~300度くらい)が安定しますが、磁気を帯びることで細いひげぜんまいが引っ付いたり絡まったりするようになり、左右、規則正しい伸び縮みが出来なくなります。
(振り角が小さくなると速くなったり遅くなったりします)

ひげゼンマイが絡まった状態になると、磁気抜きしてもひげゼンマイが元の状態に戻らないと思いますのでオーバーホールが必要になるかと思います。