方位磁石の針が振れた
ケースに方位磁石を近づけたら、針が振れた。
ケースに磁気が入ってしまっているのではないか?
遅れたり、進んだりすることになってしまうのでは・・・
時計のケース、バンド
時計のケースやバンドに使われているステンレススチールは、非磁性(磁石につかない性質)のものと磁性(磁石につく性質)のものがあります。
非磁性のステンレススチールの場合でもブレス等の高圧加工や切削加工を繰り返すとステンレススチールの組成が変わり、ステンレススチールそのものにごく微弱な磁気を帯びることがあります。
方位磁石
ごく僅かな磁気を帯びた時計ケースに方位磁石を近づけると方位磁石の針が振れることがあります。
方位磁石は、地球の磁気に反応し、北を示す計測ツールであり、非常に微弱な地球の磁気(地磁気)に反応するものです。
方位磁石はわずかな磁気に反応しますので、腕時計の磁気帯びの検査道具としては適しておらず、方位磁石が少し動いたからと言って、内部機械に影響する磁気だ…とはなりません。
遅れや進みが顕著に出ていない場合は心配はありません。
どうしてもご心配な方は、専用の測定器を持っているメーカーか修理会社にて正しく測定してもらい適切な処理をしていただきましょう。
なお、磁気帯びで止まっている場合や遅れているといった状況は、保証期間中であっても有償になってしまいます。
購入した時からの磁気入りではなく使用中に起こったもの、いわゆる、落として衝撃で遅れた…と同じ考え方になります。

微弱な地磁気に反応

Q:磁気で止まったと言われた
クオーツモデルは、水晶振動子からの信号を利用して、ロータ(秒針直結)を回転させておりますが、外部から磁気を受けることによって、このロータが磁気を受けている時間の間だけ、回転が止まってしまいます。
磁界の強さ
- スマートフォン
密着状態:16,000A/m
5㎝離す :400A/m
10㎝離す:0A/m - ノートPC
密着状態:8,000A/m
5㎝離す :0A/m
10㎝離す:0A/m - タブレット
密着状態:32,000A/m
5㎝離す :0A/m
10㎝離す:0A/m
ほとんどの磁気を発する製品からは、5㎝以上離せば磁気の影響はほとんどありません。
耐磁時計について
それぞれの耐磁性能で、下記の磁界の強さまで大丈夫とされています。
- 指定なし(耐磁無し)
直流磁界:1,600A/m まで
交流磁界:400A/m まで - 耐磁時計1種
直流磁界:4,800A/m まで
交流磁界:1,600A/m まで - 耐磁時計2種
直流磁界:16,000A/m まで
交流磁界:4,800A/m まで