錆・腐食について

時計の外装

ステンレス

ステンレスも錆びる

酸化被膜

ステンレスは「錆びない」という認識がありますが、錆びないわけではありません。
錆びにくい金属でありますが、表面がきれいな状態であることが条件となります。
ステンレスが錆びにくいと言われているのは、表面がきれいな状態が保たれている場合、
酸化被膜(不動態被膜)という特殊な保護被膜が出来て錆を防ぎます。

ステンレス(SUS)はその名のとおり、
錆び(ステン)が起こりにくい(レス)材料です。

腐食と錆

金属表面が化学反応によって侵されていくことを「腐食・フショク」と言い、その時にできる腐食生成物を「錆・サビ」と言います。

孔食(こうしょく)

腕時計の製造年から年数が経過し、ステンレスの表面が劣化で粗雑になった場合や、異物が付着した場合、あるいはキズがついて保護被膜が破損した場合、ピンホール状に進行する腐食状態を言います。
部分的に酸素の供給が欠乏することにより起こります。
年数が経って表面にキズがついていれば、錆や腐食しやすいようになるということです。
特に汗など、拭きとることが大切です。

汗について

ステンレスの腐食について大きな影響を持つ汗は、その量、成分などは個人差により、また体調、環境によっても非常に差がありますが、1日の発汗量は、通常夏場で2~3リットル最高では7~10リットルにもなると言われてます。

汗の成分、塩化物(NaClやKCI)が付着したままだと腐食しやすいことが知られてます。

上記写真、裏ぶたが閉まっている状態では、錆はあまりよくわからないのですが、開けてみるとかなり内部まで進行していることがわかります。

この状態は、内装部品にまで腐食進行しているので、オーバーホールをしても通電するかどうかがわからない状態です。

錆びを防ぐお手入れ方法

  • 普段から、腕から外された際、付いた汗や汚れを時計拭きなどで、拭くようにしてください。
  • 月に1~2度、歯ブラシで洗うようにして下さい。この際には防水に注意が必要です。
  • 洗面器などに少し水を入れて頂き、バンドをかるく歯ブラシで洗ってください。
  • 歯ブラシは使い古した柔らかいものがお勧めです。
  • 濡れた歯ブラシで、裏蓋とケースのすき間を磨いてください。
  • 乾いたタオルで水気が残らぬ様きれいに拭き取ってください。りゅうず、ボタンにご注意ください。
  • 隙間の水がなかなか取れにくい為、少し時計を振って頂いて、隙間から出る水気を拭き取って頂くことを繰り返し行うときれいに拭き取れます。

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