【実話】ダイバー時計を買いたいので防水時計について教えてほしいという話

お客様相談室実話

お客様からの電話

「お電話ありがとうございます。〇〇時計、お客様相談室でございます。」

『もしもし、ちょっと教えてもらいたいことがあって』

「はい、どのようなご相談でしょうか?」

『ダイバー時計を買う予定なんやけど、防水のこととか、JIS規格とか、よくわからないので教えてほしいんです。』

「かしこまりました。まず、どのような場面でお使いの予定なのかお教えいただけますでしょうか? 」

『ダイビングをするんで海で使うものとして教えてくれますか?』

どんなところで着けますか?

「ダイビングをされるのは、空気ボンベを背負う空気潜水でしょうか?あるいは専門の飽和潜水でしょうか?」

『単なる趣味でやってる潜水なので空気潜水だと思います。専門ではないです。』

「かしこまりました。ダイビングをされるのであれば、深く潜られなくても200メートル防水の時計が必要になるかと思います。」

『20メートルも潜らないのに、200m防水がいるの?』

「はい。まず、国内メーカーだと、m表示されているのは、大体が200m以上になっておりまして、それ以下だと多くは気圧表示、例えば20気圧防水の表示とかになってます。 」

『そこがわからへんねん。 200mと20気圧って同じことじゃないの? 』

200m防水が必要

「全く同じではありません。 JIS規格では、m表示する際には、耐塩水性や、耐衝撃性等の試験をクリアする必要があるんです。気圧表示のものはそもそもその試験がありません。 メーカーも海で使わない時計をわざわざそのような試験にクリアさせる必要がありません。だから10気圧や20気圧といったものを出します。そういう意味では、200m防水のものが海に潜るという点では信頼できるモデルなんです。」

『ということは、m表示されているものは、海に入ると想定された時計ということなんですか? 』

「そういうことになります。ただし、海に入った後には海水が付着しますので、お手入れは念入りにすることが必要となりますが。 」

お手入れが必要な訳

『なぜ念入りになんですか?水気を拭くだけではダメなんでしょうか?ステンレスは錆びないですよね。 』

「ステンレスも錆びます。塩分や汚れが残るとステンレスの表面に酸化皮膜が出来なくなるので、腐食したり錆びたりする可能性があるんです。」

『それじゃ、海に入らなくても、汗をかいて、付着したままになってたら、同じじゃないですか?』

「仰る通りです。頻繁にやらなくても、本当は1か月に1度は洗浄していただきたいところです。」

『洗うというのは、例えば洗面器に水を入れてジャブジャブするということですか? 』

「それはあくまで、ダイバーウオッチの場合です。日常生活防水や、10気圧レベルでは避けていただきたいところです。その、洗面器でジャブジャブだけだと、リュウズのところや、本体とバンドを繋いでいる部分や、バンドの駒部分など塩水や汚れが残ることがありますので、古くなった歯ブラシで洗っていただくことをお勧めします。

『そうなんですか。わかりました。使い古した歯ブラシがいいんですね。』

「それから、水気を残さないようにきれいに拭いてください。軽く振ると水気が出てきますのでそれを拭き取ってください。それを何回か繰り返していただくと水気がなくなります。」

飽和潜水って何?

『わかりました。 ところでカタログなんかに飽和潜水と書いてあるものがありますが、これは何ですか?』

「それは、潜水のプロのダイバーの方がつけられる時計になります。深海に潜る際、体を慣らすために気圧室に入るのですが、その際、窒素ではなく、ヘリウムが使われます。ヘリウムというものは、圧縮されるとどんどん小さくなるので、パッキンを通過してしまうんですね。そうなると時計内部にヘリウムが入り込んでしまうということになります。一旦入ってしまったヘリウムは、今度、元の気圧に戻していくと、徐々に元の大きさに戻っていくのですが、その際に行き場を失うので、時計のガラスが吹き飛んでしまうというようなことが起こります。」

『そんなことが起こるのですか・・・飽和潜水はプロダイバー用ということですね。私は、空気潜水しかしませんのでそれは必要ないということで大丈夫でしょうか?』

「その認識で大丈夫です。」

機械は何を選んだらいい?

『カタログを拝見すると、メカニカルとか、電池式、ソーラー式なんかがあるのですが、なにを選んだらいいですか?』

「そうですね、車に例えると、ガソリン式にするか、電気自動車にするかのような選択ですね。もっと言うなら、メカニカルは自転車、電池式は電気自動車、ソーラーは、今はあまり見られませんが、ソーラー(太陽光)発電自動車でしょうか。」

『なるほど、時計内部のエンジンの話ということですね』

「そうです。これはもう、【好み】という風に捉えていいのではないでしょうか。それぞれ、メリット、デメリットがあります。」

『簡単にメリット、デメリット、教えてください』

「そうですね・・・簡単に説明しますと・・・
まずは、秒針の動き方が違います。クオーツは1秒づつ動きますがメカニカルは細かく、チチチと動きます。

■クオーツ時計のメリット

  • 時間が合います。
  • 電池は2年~3年、ソーラー時計だとフル充電で一般的に6か月持つので、今日明日止まるという心配は少ないです。

■クオーツ時計のデメリット

  • 電池交換が必要、二次電池も劣化はしていきます。
  • 機械にICを使っているので、故障した時に部品がなければ修理できません。

■メカニカル時計のメリット

  • トルクがあるので(いわゆる力が強い)、長くて太い針を回せる。その為、時間が見やすいです。
  • 電池やモーターは入っておらず、全て職人の手作業で作られており、昔ながらのゼンマイで動いています。
  • ほとんどが金属部品なので定期的にメンテナンスをすれば長く使えます。

■メカニカル時計のデメリット

  • 機種によって異なりますが、平均的なモデルで、1日にー35秒~+45秒くらいの誤差になります。なので、時々時刻を合わせる必要があります。巻き上げも必要です。

以上、それぞれ、簡単にメリット、デメリットを挙げてみました。」

『ありがとうございました。』

「実際、腕時計コーナーで、腕にはめて、感触を確かめる必要があると思いますので、ぜひ店頭に見に行ってください。」

『そうさせていただきます』

「お電話、ありがとうございました。」

おわりに

今回のお話は、私がお客様相談室で実際に経験した出来事をもとにしています。
時計は精密機械です。

お問い合わせの中には、「故障ではないのに故障と思われているケース」や、「少し知識があれば解決できるケース」が数多くありました。

また、どんな時計がいいのかという問い合わせも多数ありました。

実際の販売現場では、このような細かい質問への対応が信頼に直結します。

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